TKの国

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ノンアルコールビール「アサヒ ゼロ」への期待

今日は、アサヒビールが発売したアルコール度数が0.00%のノンアルコールビール「アサヒ ゼロ」を飲みたすぎる件についてお話ししようと思います。

出所:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC03C1G0T01C23A0000000/

 

なぜか?

国産ビールメーカーで唯一、脱アルコール製法で製造されたノンアルコールビールだからです。

私は安いし酔わずに済むといった理由からノンアルコールビールが好きです。

state-of-tk.hatenablog.com

ただ、ノンアルコールビールでも製造方法によっては美味しくないものがあります。

 

ノンアルコールビールの製法

ノンアルコールビールの製法は2つに大別されます。

  1. 生化学的アプローチ
    アルコールを生成させない方法(生成させたとしてもごくわずか)
  2. 物理的アプローチ=脱アルコール製法
    完成されたビールからアルコールを除去する方法

こうしてみると、

1.はそもそもビールの工程を経ていないので、一度ビールになった2.の方がビールっぽさがあるのでは?

同感です

 

しかし、国産メーカーのほとんど(というかアサヒ以外?)は1.のアルコールを生成させない方法で製造しています。なぜでしょうか?

 

日本で脱アルコール製法が難しい理由

それは、酒税法が原因です。

酒税法では、酒類を製造するには酒類製造免許を受ける必要があります(脱アルコール製法は一度ビールを製造するので、この免許が必要です)。

さらに、ビールであれば最低でも年間60キロリットル(500ml缶12万本分)、製造することが義務付けられています。

 

じゃあ完成したビールの一部を脱アルコールしてノンアルコールビールにすれば良いのですが、おそらくそれは風味が違うといった理由でやっていないのでしょう。事実、アサヒドライゼロはアサヒスーパードライからアルコールを除去したものではなく、全く別の方法で製造されています。

そのため、脱アルコール製法のノンアルコールビールは専用の製造ラインを有していると思われます。

さらに厄介なのが、完成したビールからアルコールを除去する場合は、ビールの廃棄届(亡失・腐敗の届出書)を税務署へ提出する必要があるのです。

 

つまり、脱アルコール製法だと

といったコストが酒税法により発生するため、ほとんどの国産メーカーはこれらがかからない生化学的アプローチでノンアルコールビールを作っているのです。

 

頑張ったアサヒ

アサヒは、上記コストを認識し、ノンアルコールビールの拡大するマーケットや脱アルコール製法の特長を調べ尽くした上で「アサヒ ゼロ」を製造しました。素晴らしい策略だと思います。

今すぐにでも飲みたいのですが、残念ながらアサヒゼロは福島工場(福島県本宮市)で製造し、滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県の2府4県でしか発売していません。

アサヒは「製造制約があり全国展開が難しいものの、多くのユーザーの獲得・定着化を図るために大都市圏で人口が多い近畿エリア限定にした」と説明しているので、やはりアサヒゼロ専用の製造ラインがあるのでしょう。

そのため、年末年始に摂津地域にある妻の実家に帰省したときに絶対に買って飲みます。帰省が楽しみです。

 

参考文献