今日は、顎関節症の続きをお話ししようと思います。
その時
2022/4/30、朝起きたらいつも通り口が開かなかったので、顎関節のマッサージをして対処を試みたのですが、一向に開く気配がありません。
翌日まで様子見するも、改善せず。これはいよいよやばいと思いました。
何がやばいって普通の食事ができないのです。おかゆくらいしか食べることができません。メンタルは急速に悪化していきました。
GWに妻の実家で旅行に行くことになっていたのですが、このメンタルではまともな人間として対応することができないと思い、直前で私と妻はキャンセルしました。
妻だけでも行っていいよと言ったのですが、私が心配で楽しめないと。
妻への申し訳無さと、また感謝の気持ちでいっぱいになりました。
大学病院へ
GW明け、通っていた歯医者に行き一週間口が開いていない旨を伝えました。
以前、より専門的な治療を求めるなら大学病院を、と言われていたので、大学病院で診察を受けるための紹介状をもらいました。
その後すぐに予約の電話をしたのですが、最短で5/30と。3週間以上の先でした。
その間、何を食べていたのか。おかゆだけでは栄養不足なので他の料理も食べていたはずなのですが、記憶にありません。それくらい絶望していました。
また、私は最悪の事態、つまりこのまま一生口が開かない場合を想定しました。
美味しいご飯を食べることができないし、体力も落ちるし、なにより国技ができないため、生きる目的を失いかけていました。
顎関節症は障害年金何級なのか調べて、これならただ生きていくだけならできるかな、とさえ考えていました。
今思うと狂っていたと思います。
診断
大学病院は東京医科歯科大学でした。
MRI検査を受け、
非復位性関節円板前方転位
と診断されました。
顎関節円板が口側(前方)に移動したまま元の位置に戻らない状態です。
こうなると、開口時に下顎頭が前方に移動するのを、顎関節円板が邪魔をするので口が開かなくなります(下図参照)。
治療
一度前方に移動し落ちてしまった顎関節円板が元の位置に戻るのは難しいと医者に言われました。
しかし、これで人生終わりとまではいきません。治療法がありました。
それは開口訓練、つまり口をあえて大きく開ける練習をすることと言われました。
口が開かないのに開けろとは無茶なことを言うと思いましたが、医者曰く、顎関節円板をさらに前方へ押し込んでしまうことが治療とのことでした。そうすれば、なんと本来顎関節円板があった位置に顎関節円板もどきが生成されるそうです。
切断された指がもう一度生えてくることが無いように、そんな上手い話があるかと疑ったのですが、実際に医者の前で開口訓練をすると以外と口は開きました。
今までもう無理だと決めつけていただけで、実際は顎関節円板を押し込めば口は開きました。
もちろん痛いのですが、それも一日2~3回続けて行けば痛みは収まっていき、口も少しずつ開くようになっていきました。
「完治」へ
顎関節症になってから1年3か月ほど経ちましたが、今は発症前とほぼ変わらずに口を開けることができます。
もちろん、前方に転移した顎関節円板はそのままでしょうし、開口したらなんとなく右の顎関節の動きがぬるっとしているので、少し違和感はあります。
そのため完治した、とは言えませんが、日常は取り戻すことができたので、本当に良かったです。
こうして、私はまだ生かされています。(おわり)