TKの国

駐日TKの国大使館の公式ブログです。

食べログの競合は?

今日は、食べログの競合についてお話しようと思います。

株価低迷

 

問題意識

TKの国は食べログを運営している2371 カカクコムに出資しています(議決権0.00049%)。冒頭の図は22/08/23出資開始から23/09/15現在までのチャートですが、同社の株価が低迷しています。

24/03期は最高益を更新する見通しにもかかわらずです*1
株価低迷の原因の一つとして競合の台頭を考えました。カカクコムのメインサービスの食べログに焦点を当てて、競合について分析したいと思います。

 

一人勝ちと思っていたが

私は今まで食べログの競合なんていないと思っていました。国内三大グルメサイトは「食べログ」、「ぐるなび」、「ホットペッパーグルメ」ですが、この中で細かい条件設定ができ、ユーザーによる評価が点数化され、予約が可能なところは食べログだけです。

この優位性により、食べログは月間ユーザー数がダントツで一位です*2

しかし、ここ数年でそもそもグルメサイト離れが進んでいることが分かりました。

 

グルメサイトの凋落

ユーザーはグルメサイトを信頼しなくなっています。

その最大の原因は食べログの敗訴です。敗訴した裁判の詳細は以下をご覧ください。

www.nikkei.com

 

では代わりにユーザーは何でお店を調べているかというと、Googleとインスタです。

 

Googleマップで地名と食事ジャンルを入力して検索しています。それでヒットしたお店の写真を見て、マップの情報一覧から予約サイトに移ります。もちろんその予約サイトは食べログだったりするのですが、飲食店探しのスタートラインに食べログがいなくなりつつあるのです。

 

また、インスタでは日本中のインフルエンサーが毎日「映え」なグルメの投稿をしています。これのすごいところはそもそも飲食店探しをしていないユーザーをターゲットにしていることです。つまり、

ベッドで横になりながらインスタのリール(短時間の動画)を見ていたらめちゃくちゃうまそうなグルメがあった

友達にDM or ストーリーでシェア

これを見た友達が反応して一緒に行く

実際に行ってインスタに投稿(最初に戻る)

という流れが毎日のように日本全国で起こっています。

投稿の内容はインフルエンサーの主観でステマの可能性だってあるのですが、若者にとってそれはどうでもよいのです。美味しそう&映えるのであれば事実はどうだっていい、Post-truthな時代に育った者たちですから。

 

それでも、食べログがいい

上記のように、グルメサイト離れが進んでいますが、私は食べログを使い続けます。その理由は、以下の通りです。

  1. なんだかんだ言って点数は必要
    某チェーン店は可哀想とは思いますが、そもそもご飯を食べるとなったときにそのエリアの人気店ではなくチェーン店でいいやとなった場合、別に点数って気にしなくないですか?
    せっかくの外食だからみんなが高評価しているお店に行きたい!というニーズを満たすためには点数は必要だと思います。
  2. 条件設定が細かい
    私は生後7か月の赤ちゃんを育てており、家族や友人と外食するときは赤ちゃんのことを考えてお店を探します。その際に例えば「子供OK」や「座敷あり」や「個室あり」といった条件を予算に追加して調べられるのは非常に助かります。
  3. 検索→精査→予約がワンストップ
    2.でお店の候補をいくつか出して、それぞれのメニューや内観を見比べて、行きたいお店を予約する、この工程を一つのアプリでできるのは便利です。Googleマップだと予約サイトに飛ぶ必要があるし、インスタだと映えの一品だけ強調されて全体像が見えないことが少なくありません。

 

少なくとも、Googleマップやインスタで美味しそうなグルメを見つけてもそれを鵜吞みにせず、食べログでウラを取ったり、店舗情報を確認したりすることは必要だと思います。

 

まとめ

カカクコムの株価低迷はメインサービスである食べログの失速と推測し、その原因について考察しました。

食べログは競合に押され気味ですが、食べログならではの特長があるので今後も利用したいと思います。

 

参考文献

加速するグルメサイト離れ。「Google」利用率トップに。「食べログ敗訴は妥当」、飲食店で多数派|株式会社TableCheckのプレスリリース